許可_土木工事,土木工事業,土木工事一式,一式工事

土木工事業・土木工事一式工事の建設業許可を取る方法を説明!

今回は、土木工事業、土木工事一式工事についてです。

建設業許可が必要な業種は29種類あります。

土木工事に関する許可取得要件や必要な資格、工事の内容などを説明していきます。

許可を取るための要件

土木一式工事の許可を受ける要件
  1. 経営業務の管理を適正に行うに足りる能力に関する要件
    個人事業主で5年以上、建設業者で役員の経験など
  2. 専任技術者に関する要件
    有資格、もしくは実務経験がある場合
  3. 財産的基礎に関する要件
  4. 誠実性に関する要件
  5. 欠格要件等について
  6. 社会保険への加入に関する要件

上記に挙げた要件を満たすことによって、土木一式工事の建設業許可を取得することが可能です。

他の業種の建設業許可を取得する場合と必要な要件はほぼ同じですが、「2.専任技術者に関する要件」は取得する建設業許可によって、必要な資格などが異なってきます。

土木一式工事の専任技術者に関する要件

土木一式工事の許可を取得するうえで、必要となる専任技術者の要件を確認していきます。

有資格、技術者の資格での要件

建設業法の「技術検定」
  • ◎・1級建設機械施工技士
  • 〇・2級建設機械施工技士(第一種~第六種)
  • ◎・1級土木施工管理技士
  • 〇・2級土木施工管理技士(種別:上木)

◎は特定・一般建設業の資格を兼ねることが出来ます。
〇は一般建設業の資格のみとなります。

制度の案内について

 

技術士法「技術士試験」
  • ◎・建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)、総合技術管理「建設」(「鋼構造及びコンクリート」を除く)
  • ◎・建設「鋼構造及びコンクリート」、総合技術管理「建設ー鋼構造及びコンクリート」
  • ◎・農業「農業農村工学、農業土木」、総合技術管理「農業ー農業農村工学、農業土木」
  • ◎・水産「水産土木」、総合技術管理「水産ー水産土木」
  • ◎・森林「森林土木」、総合技術管理「森林ー森林土木」

◎は、特定・一般建設業の資格の両方を兼ねることが出来ます。

制度、試験の案内について

このような資格があれば、実務経験を証明する(多数の書類を揃える)必要が無いため、許可取得や申請がスムーズに行えます。

実務経験10年以上で「専任技術者」の要件を満たす場合

有資格、技術者の資格が無い場合でも実務経験を10年以上証明することが出来れば、専任技術者となることができ、許可取得の要件を満たすことができます。

じゃあ、建設会社や建設業で10年以上働いていたら「専任技術者」になれるってこと?

建設会社で10年以上働いていたら「専任技術者」の要件を必ず満たすとは限らないので注意が必要です!

取得する建設業の業種ごとに沿った実務経験が必要です。

今回で言えば「土木一式工事」にかかわる工事に従事していたことが求められます。

例えば、建設業の実務に10年以上従事していても、実務・工事の内容がリフォームや内装工事だった場合は、土木一式工事の「専任技術者」の要件を満たすことにはなりません。
取得する許可業種にあった工事での内容での証明が必要です。

土木一式工事 の 内容

原則として元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整の素に土木工作物を建設する工事であって、複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事など

土木一式工事 の 例示

・橋梁
・ダム
・空港
・トンネル
・高速道路
・鉄道軌道(元請)
・区画整理
・道路
・団地などの造成(個人住宅の造成は含まない)
・公道下の下水道(上下水道は含まない)
・農業、かんがい水道工事を一式として請け負うもの

このような工事内容に従事した経験が必要となります。

指定学科の卒業で、土木一式工事・土木工事業の実務経験10年が短縮可能!!

国家資格などの有資格が無い、技術者での資格が無い。

その場合、10年以上の実務経験で「専任技術者」の要件を満たすようにするとなると、かなりの必要書類を集めることになります。

実務においても、10年以上の実務経験での証明はハードルが高いことが多くあります。特に雇用されていた場合、

  • 建設業許可を持っている会社に勤務していた場合、10年以上の実務経験が必要となり、少なくとも2枚から3枚の許可証の写しが必要になる。
  • 建設業許可を持っていない会社に勤務していた場合、10年以上の実務経験を証明する書面【請負契約書・請書】などが必要になる。
  • 申請する自治体によっては、実務経験の1年につき請負契約書などを1枚で足りるところもあれば、3~4枚分の提出を求められるところも。
  • さらに1年で12か月分必要な自治体もあります。
  • また勤務していた会社が複数に渡る場合は、退社した会社にも工事請負契約書や請書を借りる依頼をする必要があります。
    もし、退社した経緯が円満退社でない場合の時などは、借りるという事自体のハードルが上がります。

土木一式工事の実務経験を10年以上で専任技術者の要件を満たすためにはこれだけのハードルをクリアしなければなりません。

しかし、指定学科の卒業していると、この10年の期間を短縮することが可能です。

指定学科など

  • 土木工学  ※具体的な指定学科・類似学科

    開発科・海洋科・海洋開発科・海洋土木科・環境造園科・環境科・環境開発科・環境建設科・環境整備科・
    環境設計科・環境土木科・環境緑化科・環境緑地科・建設科・建設環境科・建設技術科・建設基礎科・建設工業科・
    建設システム科・建設土木科・鉱山土木科・構造科・砂防科・資源開発科・社会開発科・社会建設科・森林工学科・
    森林土木科・水工土木科・生活環境学科・生産環境科・造園科・造園デザイン科・造園土木科・造園緑地科・造園林科・
    地域開発科学科・治山学科・地質科・土木科・土木海洋科・土木環境科・土木建設科・土木建築科・土木地質科・
    農業開発科・農業技術科・農業土木科・農林工学科・農業工学科・農林土木科・緑地園芸科・緑地科・緑地土木科・林業工学科・林業土木科・林業緑地科

    開発科・海洋科・海洋開発科・海洋土木科・環境造園科・

    開発科

  • 都市工学  ※具体的な指定学科・類似学科

    環境都市科・都市科・都市システム科

  • 衛生工学  ※具体的な指定学科・類似学科

    衛生科・環境科・空調設備科・設備科・設備工業科・設備システム科

  • 交通工学

この指定学科の卒業が、大学か高校かで短縮される期間も変わってきます。

大学・短期大学・高専など 指定学科卒業 + 実務経験
専門学校 指定学科卒業 + 実務経験
(専門士・高度専門士は年)
高等学校 指定学科卒業 + 実務経験

学科卒業の場合、卒業証明書などの提出が必要となります。

土木一式工事、土木工事業 まとめ

いかがでしたでしょうか。

建設業の業種である「土木一式工事、土木工事業」の許可取得について、説明・解説してきました。

許可を取る場合、どの業種に当てはまるのか!?間違いの無いように確認して、許可取得へ動いた方がよいでしょう!

少しでも不安な場合な時は、申請する窓口や建設業を専門にしている行政書士に確認することをおすすめします!