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個人事業主が建設業許可を取得するための完全ガイド

個人事業主で建設業許可が取得できるのか?

建設業界は日本の経済の大きな柱の一つであり、多くの個人事業主がこの分野で活動しています。

しかし、建設業を営むためには、建設業許可が必要です。
この記事では、個人事業主が建設業許可を取得するためのステップや注意点を詳しく解説します。

建設業許可を個人事業主が取得する影響は?

個人事業主が建設業許可を取得せず建設工事を請負い工事をすることは可能です。

しかし、取得することによるメリットやデメリットをしっかり把握したうえで建設業を経営すると事が重要です。

あとで「あの時に許可を取っておけば良かった...」
または「許可を取るのに、こんなに書類を準備する必要があるの!」「許可を取ってからもこんなに手続きが必要なの!」

とならないように事前に理解しておくことが必要です。

必要性とメリット

建設業許可は、建設業を営むための免許のようなものです。この許可を持っていることで、請負金額の大きな工事をすることが可能になります。そのほかにも、元請になることができたり、公共工事の入札や大手企業との取引が可能となります。また、許可を持っていることで信用性が高まり、取引先からの信頼も得られやすくなります

デメリットと注意点

一方で、建設業許可を取得するためには、多くの条件をクリアする必要があります。また、許可を取得した後も、定期的な更新や維持のための手続きが必要です。これらの手続きには時間や費用がかかるため、注意が必要です。

建設業許可の要件と条件

建設業許可を取得するためには、以下のような要件や条件を満たす必要があります。

  1. 「建設業に係わる経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有すること」
  2. 専任技術者」を営業所ごとにおいていること
  3. 請負契約に関して誠実性を有していること
  4. 請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用を有すること
  5. 欠格要件等に該当しないこと
  6. 適正な社会保険の加入があること

これらの条件をクリアすることで、建設業許可の取得が可能となります。

建設業許可要件の詳細や、社会保険への加入に関する内容は別の記事で解説しています。

建設業許可の要件とは?6つの要件の概要について説明します。

建設業許可の手続きと書類の準備

個人事業主が建設業許可を申請する場合も、やはり大量の証明書類を集める必要があります。

建設業許可の申請方法と流れ

建設業許可の申請は、都道府県の知事許可の場合は、担当する土木事務所など窓口に申請します。おおまかな申請の流れは以下の通りです。

  1. 許可要件に足りているか確認
  2. 申請に必要な書類の収集
  3. 許可申請書の作成
  4. 担当する行政の窓口に申請書の提出
  5. 申請書類などの審査
  6. 許可の取得

一般建設業の知事許可であれば、都道府県にもよりますが「1か月半から2か月」程度で許可がおります。

建設業許可に必要な書類と費用

個人事業主が建設業許可を取得するためには、以下のような書類の提出が必要です。

  1. 建設業許可申請書一式
  2. 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)を証明する書類
  3. 専任技術者を証明する書類(資格証や実務経験証明書など)
  4. 本籍地の記載された住民票(申請日前3か月以内のもの)
  5. 身分証明書(申請日前3か月以内のもの)
  6. 登記されていないことの証明書(申請日前3か月以内のもの)
  7. 納税証明書
  8. 営業所の確認資料
  9. 財産的基礎要件の確認資料
  10. 健康保険等の加入状況の確認資料

上記にあげた必要書類は代表的なものとなります。
そのため、お客様の状況によって必要書類は増えることがあります。

また、申請には費用がかかるため、事前に確認しておくことが必要です。

新規・一般建設業
(許可申請手数料)
知事許可
90,000円

申請手数料は、個人事業主で建設業許可を申請する場合も、法人で建設業許可を申請する場合も同じ金額です。

建設業許可の手続きにおける注意点

建設業許可の手続きには、多くの書類や手続きが必要です。

特に、常勤役員(経管)や専任技術者の確認や必要書類の取り揃え。また、営業所の準備など事前の準備が必要な点が多いため、計画的に進めることが必要です。

極力、スムーズに早く申請したい方は、事前に建設業に専門特化した行政書士に相談することをおすすめします。

個人事業主と法人、どちらで建設業許可を取るか?

よくあるお問い合わせで

「個人事業主のまま、建設業許可を取ればよいのか?それとも、法人成りして建設業許可をとればよいのか?どちらがよいのか?」

といった質問もあります。

令和2年10月の法改正前は、個人事業主で取得した建設業許可を法人に事業承継したり、相続人に地位を継承することが可能になりました。

この法改正以前は、個人事業主で取得した建設業許可の事業承継や相続が出来なかった為、再取得する必要がありました。

その為、法改正後は建設業許可を個人事業主で取るか法人で取るかの判断は、将来事業をどう成長させていくのか?で判断されている方がほとんどです。

自分の事業を大きく成長させていきたいといった方は、法人として建設業許可を取得。

自分の事業を、個人で出来る範囲でやっていくといった方は、個人事業主で建設業許可を取得。

といった方が大半のイメージです。

建設業許可を取得希望する方によって、それぞれ異なりますので良く考慮したうえで進めていくことが良いと思います。

個人事業主が建設業許可を取得するための営業所の準備と注意点

個人事業主が建設業許可を取得するためには、もちろん、営業所の設置が必要です。

営業所の設置には、以下のような注意点があります。

  • 営業所としての機能、契約などが取り交わせる場所であること
  • よくある問い合わせとして「バーチャルオフィス」は営業所として認められますか?
  • 「バーチャルオフィス」は建設業法上の営業所として、実態が無いものと判断されます。
  • 結論「バーチャルオフィス」は、建設業許可要件の営業所としては認められません。
  • 個人宅を営業所とする場合は、間取り図などが必要。
  • 営業所の所有権限や賃貸契約を証明する書類の提出が必要

これらの点を確認しながら、営業所の準備を進めることが重要です。

    まとめ(個人事業主が建設業許可を取得するための完全ガイド)

    個人事業主が建設業許可を取得するための完全ガイドについて解説しました。

    建設業許可は、建設業を営むための重要なものです。

    この記事を参考に、計画的に許可の取得を進めてみてください。