2023年版建設キャリアアップシステム、CCUSの利用状況について
制度がスタートして数年経過する、建設キャリアアップシステム。2023年時点の利用状況などについての公表がされました。
その際に提供された「建設業セミナー2023」の資料などを使って説明をしていきたいと思います。
建設キャリアアップシステムの概要
今一度、建設キャリアアップシステムの概要をおさらいします。
- 技能者の資格や現場での就業履歴の登録蓄積し、客観的評価を通じ技能者の処遇改善等に繋げる仕組み作り
- 若い世代のキャリアパスを見通せる環境構築、処遇改善、技能者の育成
- 建設業にかかわる業界全体と国が連携して官民一体で普及促進
このような取り組みをおこない、業界全体の課題解決に繋げ、そして発展させることが目的となります。
建設キャリアアップシステムの利用状況(2023年3月末)
建設業セミナー2023の資料を参考に、2023年3月末時点の利用状況を確認します。
技能者の登録数
技能者の登録数は、2019年の制度開始より年々増加し、2023年3月末で「114万人」が登録しています。
資料にある通り、令和4年時点で技能者は302万人となっていますので、1/3以上の技能者が現在登録となっています。
登録者の累積数も右肩上がりとなっており、これから技能者の登録者推進の動きもあるため、今後もしばらくは技能者の登録は増えていくものと考えられます。
事業者の登録数
事業者の登録数、こちらも制度開始から増加し、2023年3月末で「21.8万社」が登録となっています。
こちらも、技能者の登録と同じように堅調に増加しています。
就業履歴数
技能者のカード利用数(技能者のIDカードを建レコにタッチ)は2021年後半から、技能者と事業者の登録数の増加と同時に、利用する場面が増えてきていることが一因と考えれます。
後述しますが、技能者・事業者の登録推進とともに、利用する環境も整備されつつあることも、現場での利用数増加に貢献しているようです。
元請完工高シェアと事業者登録の進展状況
※参考: 一般財団法人建設業振興基金
事業者登録の進展状況ですが、資料を見てもわかるように比較的大規模な元請企業はCCUSの登録率が高くなっています。
建設キャリアアップシステムのカード利用に関しては、公共工事など比較的大規模工事では登録が必須となっているため、このような結果になっていると推測できます。
登録率の向上に向け引き続き、技能者の登録、事業者の登録はもちろんより現場での利用促進がますます拡大する傾向にあります。
建設キャリアアップシステムの導入促進について
※参考: 一般財団法人建設業振興基金
2023年版建設キャリアアップシステムについて説明してきました。
また、先述した就業履歴数、現場の利用数増加をさらに促進させる取り組みが今後も予定されています。
- カードリーダーを設置しやすいように、安価なカードリーダーも対応が可能に。
- 施行体制台帳や従業員名簿等とのデータ連携し、より利便性を高めCCUSカードの利用促進させる
上記のような取り組みで、更なる利便性の向上に繋がっていく予定です。
唯一のデメリットは登録時の入力内容が増える為、最初の労力が増えることがあります。
しかし、その後の管理や運用に関してはデータの反映、活用が出来ますのでトータルして利便性は向上します。
※参考: 一般財団法人建設業振興基金
上記の資料にもある通り、CCUSと建退共のデータ連携されるため、技能者側も事業者側も、労力が減り、効率化と確実性が向上していきます。
建設キャリアアップシステムの概要でも記載した、建設業界の働き方改革にも繋がる取り組みのひとつになります。
また今後、建設工事の担い手の育成・確保に向け、経営事項審査でもCCUSの活用状況が加点対象になります。
加点要件 | 評点 |
審査対象工事のうち、民間工事を含む全ての建設工事で該当措置を実施した場合 | 15 |
審査対象外工事のうち、全ての公共工事で該当措置を実施した場合 | 10 |
- 日本国内以外の工事
- 建設業法施行令で定める軽微な工事
- 災害応急工事
- CCUS上での「現場・契約情報」の登録
- 建設工事に従事する者が直接入力によらない方法でCCUS上に就業履歴を蓄積できる体制の整備
- 経営事項審査申請時に様式第6号に掲げる誓約書の提出
CCUSの運用をする上でのメリットは今後も、拡大・拡充されていくと予測されます。
まとめ 2023年版建設キャリアアップシステム
いかがでしたでしょうか。
2023年版、建設キャリアアップシステムの利用状況について解説、説明してきました。
制度開始から数年が経過し、利用する場面や利用するメリットも増々増えてきています!
建設業界が直面している課題、そしてこれから先に起こりえる課題解決に向けた取り組みの一環として、今後も運用される場面は増えていくことが考えられます。
行政書士まつがみ事務所は、CCUS登録行政書士です。
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