建設業許可は承継できる?一人親方の相続、法人成りなどの場合
建設業許可の承継に関しては、気になる方も多いと思います。
また、建設業許可を取得し事業を継続していく中で、思いのほかのタイミングで思いのほかの出来事が起きたりすることもあります。
「一人親方、個人の建設業者が死亡して相続、引き継ぐことになった」
「建設業者が事業を譲渡することになった」
「会社を合併や分割することになりそう」
このような場合にはどうするのか?そもそも取得した許可は、誰かに引き継ぐことが出来るのか!?せっかく取得した許可はどうなるのか?
それでは、詳しく解説していきたいと思います。
そもそも許可は引き継げるのか? ☞法改正で承継可能に!!!
結論から申し上げますと、許可は引き継ぐこと、承継が可能です。
以前は、一人親方や個人の建設業者が死亡した場合の許可は失効、再度取得しなおしとなっていました。また、同様に事業の譲渡、会社の合併、分割を行った場合、譲渡、合併後又は分割後の会社や新たに建設業許可を取り直すことが必要でした。
それでは新しい許可が降りるまで建設業の業務が出来ないという期間が発生してしまい、他の許可書事業者と比較し不利益が生じていました。
そのため、この不利益を改善するために、法改正が行われ事前、または事後に認可を受けることで建設業許可を承継することが可能となっています。
一人親方、個人事業主などの相続の場合
許可をとった被相続人の死亡後「30日以内」に相続の認可を申請することによって、被相続人が持っていた建設業許可を相続人が受けたものとして扱いことになります。
※相続しない場合には廃業届等の提出が必要になります。
※相続の認可をした場合、認可申請に対する処分があるまでは、相続人は建設業の許可を受けたものとして扱うことができます。
相続人が申請するによる(相続認可申請書 様式第二十二号の十)を作成。
また、建設業許可の新規取得を同じ書類を揃え提出します。さらに、下記の書類を提出していきます。
●相続する申請者と被相続人との続柄を証明する書類(戸籍謄本など)
●ほかに相続人がいる場合には、建設業の許可を相続する申請者が建設業を営むことに対する同意書など
事業譲渡、合併、会社分割などの場合
この場合も相続と同じように、事前に認可を受けることで、建設業の許可を承継することが可能になりました。
また、以前のように新たに建設業許可を取り直す必要もなく、空白期間に生じていた不利益もなくなりました。
一人親方、個人事業主の場合より必要書類、提出書類は多くなります。
それでは、必要となる書類一覧を確認してきましょう!
事業承継などの場合
1. 事業を承継する側の会社と承継される側の会社との事業承継、事業譲渡に係る契約書の写し
2. 承継する側の会社、承継される側の会社において、承継・譲渡を決議した株主総会の議事録の写しなど
3. 個人事業主が法人になる法人成りの場合は、個人事業主と法人の事業承継・譲渡などの契約書の写し
・建設業許可の承継後、提出する書類など
1. 健康保険等の加入状況(法定様式のもの)
2. 健康保険等の加入状況を確認できる確認資料
合併の場合
1. 合併に係る契約書の写し
2. 株主総会で、合併を決議した議事録の写し
・建設業許可の承継後に提出する書類
1. 健康保険等の加入状況(法定様式もの)
2. 健康保険等の加入状況を確認できる資料
3. 合併後の登記事項証明書
4. 営業の沿革(法定様式のもの)
5. 所属建設業団体(法定様式のもの)
会社分割の場合
1. 分割などの契約書の写し
2. 該当となる会社同士の会社分割を決議した株主総会の議事録等の写し
・ 建設業許可の承継後、提出する書類など
1. 吸収分割の承継法人
2. 新設分割の承継法人
① 健康保険等の加入状況(法定様式のもの)
② 健康保険等の加入状況を確認できる資料
③ 親切会社の登記事項証明書
④ 営業の沿革(法定様式のもの)
⑤ 所属建設業団体(法定様式のもの)
建設業許可の承継のまとめ
いかがでしょうか。
法改正以前には、個人事業主や一人親方が法人成りのした際は、新規で建設業許可を取得することしか方法がありませんでしたが、法改正に伴い建設業許可を承継することが可能になりました。
承継するタイミングは計画的に行うこともできますが、予期せぬタイミングで発生することも十分に考えられます。
そのため、日頃から建設業の許認可に強い行政書士に相談しておくことをおススメします!
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